Specify DSCP Valueは、ネットワーク通信においてDSCP (Differentiated Services Code Point) 値を指定する設定です。
これは主に通信トラフィックの優先度を制御するために使用されます。
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DSCPとは?
DSCPは、IPヘッダー内のToS (Type of Service) フィールドに含まれる値で、通信データパケットに優先度やサービスの品質(QoS: Quality of Service)を指定するために使用されます。
この値によって、ネットワークデバイス(ルーターやスイッチなど)がトラフィックをどのように扱うかを決定します。
主な用途
- 優先順位付け:リアルタイム性が重要なアプリケーション(例:ビデオ通話やVoIP)は高い優先度に設定し、遅延に耐えられるデータ(例:ファイル転送)は低い優先度に設定する。
- 帯域幅管理:重要な通信がスムーズに行えるよう、ネットワークリソースを効率的に割り当てる。
- トラフィック制御:特定の種類のトラフィックを優遇または制限する。
よく使われるDSCP値
DSCP値は0から63までの範囲で指定されます。以下は一般的に使用される値の例です:
- 0: Best Effort(デフォルトの優先度)
- 46: Expedited Forwarding (EF)、リアルタイム通信向け(例:VoIP)
- 18: Assured Forwarding (AF)、ミドルレンジの優先度
- 10: Background(低優先度のトラフィック)
Local Group Policy EditorでDSCP値を設定する
- Local Group Policy Editorを開く
- キーボードで Win + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
gpedit.msc
と入力し、Enterを押します。
- ポリシーの場所を移動
Local Group Policy Editorが開いたら、以下のパスに移動します: - 新しいQoSポリシーを作成する
- Policy-based QoS を右クリックし、Create new policy...(新しいポリシーの作成) を選択します。
- Policy Name(ポリシー名) に任意の名前を入力します(例:
DSCP Policy for VoIP
)。 - Specify DSCP value(DSCP値の指定) を選択し、目的のDSCP値(例:46)を入力します。
- 必要に応じてスロットリング(帯域幅制限)を設定できますが、設定しない場合はそのまま次へ進みます。
- ポリシーの適用範囲を設定
- このポリシーを特定のアプリケーションに適用:
- 特定のアプリケーションに限定する場合、アプリケーションの実行ファイル(例:
skype.exe
)のパスを指定します。
- 特定のアプリケーションに限定する場合、アプリケーションの実行ファイル(例:
- このポリシーを特定のIPアドレスまたはポートに適用:
- 特定の送信元IP/宛先IPやポート番号を指定できます。これにより、特定の通信にだけポリシーを適用します。
- このポリシーを特定のアプリケーションに適用:
- 設定を確認して保存
- ポリシーの設定が完了したら、Finish(完了) をクリックします。
- ポリシーの適用を確認する
- 作成したQoSポリシーがリストに表示されていることを確認します。
- 必要に応じて、複数のポリシーを設定することも可能です。
DSCP値の設定が適用される例
以下は、ポリシーの使用例です:
- VoIPアプリケーション(例:SkypeやTeams) のトラフィックに高い優先度(EF, DSCP 46)を割り当てる。
- バックグラウンドのファイルダウンロード に低い優先度(DSCP 10)を割り当てる。
注意点
- 管理者権限が必要
Local Group Policy Editorの設定には管理者権限が必要です。 - ネットワークデバイスの対応
設定したDSCP値を有効にするには、ネットワーク内のルーターやスイッチがQoS(Quality of Service)に対応している必要があります。 - ポリシーの適用範囲
この設定はローカルコンピュータにのみ適用されます。ドメイン環境では、グループポリシー管理ツール(GPMC)を使用して一括設定を行うことを検討してください。
以上で、Local Group Policy EditorからDSCP値を設定する方法が完了です!
この設定を活用して、ネットワークトラフィックの優先度を効果的に管理してください。
まとめ
「Specify DSCP Value」は、ネットワーク通信におけるパケットの優先度や品質を明確に指定するための設定です。
これを正しく設定することで、重要な通信の遅延を防ぎ、ネットワーク全体のパフォーマンスを最適化することが可能です。
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